管理栄養士国家試験対策室

管理栄養士の国家試験に役立つ知識をまとめていきます。

国民健康・栄養調査

【国民健康・栄養調査とは?】

国民の身体の状況、栄養摂取量及び生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的として、健康増進法に基づき、毎年実施される調査。

 

【調査対象、抽出法】

調査年の国民生活基礎調査において設定された単位区から、層化無作為抽出した300単位区内の世帯(約6,000世帯)及び世帯員。 

 

【調査項目】
(1)身体状況調査票(身長、体重、腹囲、血圧測定、血液検査等)

    
(2) 栄養摂取状況調査票(食品摂取量、栄養素等摂取量、食事状況(欠食・外食等))

     →比例案分法で調査しています。
(3) 生活習慣調査票(食生活、身体活動・運動、休養(睡眠)、飲酒、喫煙、歯の健康等に関する生活習慣全般を把握)

 

【調査の時期】
(1) 身体状況調査:調査年11月中の1日
(2) 栄養摂取状況調査:調査年11月中の1日(日曜日及び祝日は除く)
(3) 生活習慣調査票:栄養摂取状況調査日と同日

 

【調査方法】

都道府県、政令市及び特別区衛生主管部(局)統括の下、調査地区を管轄する保健所が行う。保健所では、保健所長を班長とする国民健康・栄養調査班を編成し、医師、管理栄養士、保健師臨床検査技師及び事務担当者等の調査員が調査の実施にあたる。調査票の集計業務は(独)国立健康・栄養研究所が行う。

クロロフィル

クロロフィルとは?】

クロロフィルは、植物に含まれる色素の一種て、葉緑素とも呼ばれます。

ポルフィリン環の中央にマグネシウムMg2+を持っています。

 

クロロフィルの変化】

クロロフィルは、pHや酵素などにより構造が変化し、色が変わります。

中でも重要な変化として、マグネシウムが失われると褐色光過敏症の原因となるフェオフォルバイドになります。

また、マグネシウムが銅と入れ替わると、銅クロロフィリンという安定な物質になります。

 


f:id:kanrieiyo-shi:20190828214710j:image

 

【国試のポイント】

マグネシウムを持つ。

マグネシウムを失うと光過敏症の原因となるフェオフォルバイドになる。

・銅クロロフィリンは安定。

筋肉の種類

【筋肉の種類①】
筋肉には、横紋筋と平滑筋の2つの種類があります。

・横紋筋
横縞模様のある筋肉。随意筋。(※心筋は除く)
例:骨格筋、心筋、横隔膜

・平滑筋
横縞がない筋肉。不随意筋。
例:内臓、血管


【筋肉の種類②】
筋肉は、上記の分類以外にも、白筋(速筋)、赤筋(遅筋)という2つの種類にも分けられます。

・白筋(速筋)
収縮速度が速く、素早く大きな力を発揮することができます。
短距離走などの瞬発的な運動を行う時に活躍します。
高齢になると減少します。

・赤筋(遅筋)
収縮速度は遅いものの、長い間収縮し続けることができます。マラソンなどの長い運動を行う時に活躍します。
ミオグロビンが多く含まれます。


【国試のポイント】
横紋筋は骨格筋、心筋、横隔膜。
平滑筋はそれ以外。

赤筋は長時間の運動に適し、ミオグロビンが多い。
白筋は短時間の運動に適し、高齢者で減少

交感神経、副交感神経

【交感神経、副交感神経とは?】
交感神経、副交感神経は、脳幹や脊髄から分岐し、内臓や血管などの働きをコントロールしてくれる自律神経です。
交感神経は、緊張時や運動時に興奮するのに対し、副交感神経はリラックスしている時に興奮します。

【国試のポイント】
教科書などには交感神経と副交感神経が心臓や血管、消化管などの各部位にどのような働きをするか記した表が載っていますが、
交感神経→緊張時、運動時に興奮する
という事だけ覚えておけば、丸暗記しなくてもその場でイメージして答えられると思います。

脳神経

【脳神経とは?】
脳神経は、脳から直接出ている神経の総称で、全部で12対あります。
以下に脳神経の番号とポイントをまとめました。

【脳神経の一覧】
1.嗅神経(Ⅰ)
2.視神経(Ⅱ)
3.動眼神経(Ⅲ)…眼球を動かす(上斜筋·外側直筋以外)、まばたき、瞳孔の大きさ調整など
4.滑車神経(Ⅳ)…眼球を動かす(上斜筋。下転·外転·内転)
5.三叉神経(Ⅴ)…咀嚼筋、顔面·眼球·鼻腔·口腔の温度覚·痛覚·触覚
6.外転神経(Ⅵ)…眼球を動かす(外側直筋。外転)
7.顔面神経(Ⅶ)…表情筋、涙腺·鼻腺·唾液腺(顎下腺·舌下腺)、外耳の感覚、舌の前部2/3の味覚
8.内耳神経(Ⅷ)
9.舌咽神経(Ⅸ)…咽頭の筋の支配、唾液腺(耳下腺)、外耳、中耳、咽頭、舌の後部の感覚、舌の後部1/3の味覚、頸動脈洞
10.迷走神経(Ⅹ)…喉頭の筋支配、胸腹部の内臓を制御する·感覚を伝える、外耳の感覚、喉頭蓋の味覚  
11.副神経(Ⅺ)
12.舌下神経(Ⅻ)


【国試ポイント】
管理栄養士の国家試験では、上記を全て覚える必要はないと思いますが、以下の2つは頻出です。

味覚を支配する神経
  →顔面神経(舌の前部2/3)
   舌咽神経(舌の後部1/3)
   迷走神経(喉頭蓋)

咀嚼筋を支配する神経
  →三叉神経

体液

【成人の体液】
成人では、体重の約60%が体液です。
60%の内訳として、40%が細胞内液20%が細胞外液です。
細胞外液はさらに間質液が15%血漿が5%となっています。


【年齢による体液量の変化】
体液量は年齢によって変化します。

新生児:80%
乳児(3ヶ月):70%
成人:60%
高齢者:50%

また、新生児は細胞内液量と細胞外液量の比率がほぼ同じですが、成長に伴い細胞外液量が減少していきます。
ただし、高齢者では細胞内液量が減少します。

身体の中で情報を伝達する物質とは?

【身体の中で情報を伝達する物質とは?】
身体の中で情報を伝達する物質には、神経伝達物質、ホルモン、サイトカインがあります。
そしてこれらをまとめて、生理活性物質と呼びます。


神経伝達物質
神経伝達物質は、シナプス(神経細胞神経細胞の間)から放出され、その先の神経や筋肉などに情報を伝達する物質です。
代表的なものとして、ノルアドレナリンアセチルコリンなどがあります。

【ホルモン】
ホルモンは、特定の細胞でつくられ、 血流で標的臓器に運ばれて標的の臓器(細胞)に作用して特定の応答を引き起こす物質です。
大きく脂溶性、水溶性で分けることができ、脂溶性ホルモンにはステロイドホルモン、水溶性ホルモンにはたんぱく質ホルモン、アミン・アミノ酸誘導体ホルモンがあります。

【サイトカイン】
サイトカインは、細胞から分泌されるたんぱく質で、細胞間で相互に作用する物質の総称です。標的細胞の増殖、分化、細胞死、機能発現など多様な応答を引き起こします。